デジタル上野の杜2022 ~アートプレゼンテーションワークショップ 作品展~
「デジタル上野の杜 2022」
~アートプレゼンテーションワークショップ 作品展~
「デジタル上野の杜」は、文化・観光の拠点である上野公園をリアルだけでなくオンラインでも体験や交流のできるプラットフォームの実現を目指すプロジェクトです。
(参考:「デジタル上野の杜プロジェクト」公開!(2022年3月22日))
令和3年度 東京都と大学との共同事業として、東京都政策企画局の支援により、東京大学との共同で上野恩賜公園や施設群の3Dスキャンを行い、デジタルツインのメタバースを実現しました。
東京藝術大学では2022年8月8~9日に「デジタル上野の杜 アートプレゼンテーション」と題して、大学院生向け特別ワークショップを開催しました。デジタルアーカイブの手法を学び、「デジタル上野の杜」上にスキャンデータを配置することで、オンラインプラットフォームを利用した作品の公開・発信方法について考えるものです。
ここではそのWSの成果をVRChatワールド「デジタル上野の杜2022」として一般に公開いたします。
https://vrchat.com/home/world/wrld_28af8f50-e512-4f11-850c-f9ad786c1f13
ワールド名:「DigitalUenoPark_2022」
※「デジタル上野の杜」のVR ChatワールドはOculus Questには対応しておりません。
出展作家
A 本間悠暉 / Yuki Homma 映像研究科 メディア映像専攻 修士
B Thomas VAUTHIER 研究生
C NagiCha 美術研究科 グローバルアートプラクティス専攻 修士
D 野口真美子 美術研究科 彫刻専攻 修士
E 阿部文香 映像研究科 メディア映像専攻 修士
F 島田清夏 美術研究科 先端芸術表現専攻 博士
G 茂木淳史 美術研究科 彫刻専攻 修士
ワークショップ講師
秋田亮平(東京藝術大学 非常勤講師)
早川翔人(東京藝術大学 非常勤講師)
松浦知也(東京藝術大学 芸術情報センター 特任助教)
藤原龍(株式会社ホロラボ)
ワークショップの風景
WS1日目には、物体を3Dデータ化する様々な手法のうち、たくさんの写真データから3D形状を推定するフォトグラメトリという手法と、赤外線の反射光から得られる距離データを用いるハンディ3Dスキャナ(Artec EVA)の2種類の方法を、自分の作品などを持ち寄り体験しました。
フォトグラメトリは大量の写真データをもとに3D形状を復元するので、撮影に時間と手間がかかります。またレンズの歪みや絞りなどの設定にも気を使う必要がありますが、その分対象にできる大きさやテクスチャの幅が広いという特徴があります。
一方、反射光の情報をもとにしたハンディスキャナーでは高密度な3D点群データが得られますが、一方で極端に小さなものやぬいぐるみのような細かい表面形状のものをうまくスキャンできないといった欠点もあります。自分の撮影したいものに適した手法は何かを、実際に試してみることで実践的に学びました。
2日目には、デジタル上野の杜が利用しているプラットフォームであるVRChatを実際に体験し、ゲームエンジンUnityを使って3Dデータを実際のデジタル上野の杜に配置しました。
バーチャル空間上では実際にスキャンしたサイズよりも、圧倒的に大きなスケールに拡大することも可能です。
1日目にはフォトグラメトリや3Dスキャンの技術の中にオリジナルの形状を忠実に再現するための様々な工夫があることを学びましたが、一方で必ずしも忠実さにこだわるだけでなく、デジタル空間固有の表現のあり方を追求することができました。
企画
東京藝術大学アートDXプロジェクト
東京藝術大学美術学部建築科 金田研究室
助成:東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト
「デジタル上野の杜」プロジェクトは令和3年度「東京都と大学との共同事業」の支援によるものです。
※桜通りの3Dスキャンおよびワールドの制作は除く
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/daigaku/kyodo-jigyo.html
また、「デジタル上野の杜 アートプレゼンテーションWS」ではフォトグラメトリソフトウェアやVRアプリケーションのために株式会社インテル様/株式会社サードウェーブ様よりご寄付いただいたコンピューターを利用させていただきました。